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『相続登記』について!2024年4月1日より義務化!

不動産の豆知識

中山 和樹

筆者 中山 和樹

不動産キャリア11年

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こんにちは。
BRAVI不動産の中山です。

本日の不動産の豆知識のコーナーは、今年の4月1日より義務化となった『相続登記』についてのお話しです。
知らなかったでは済まされない相続登記のお話しですので、しっかりと熟読いただければと存じます。


相続登記とは


相続登記とは、そのまま字のごとく、被相続人(亡くなった人)が所有していた不動産の名義を相続人の名義に変更することを言います。

不動産の所有者が誰であるかということは、法務局で管理されている登記簿謄本に記録されており、被相続人から不動産を相続した人は「相続を原因とする所有権移転登記」、いわゆる『相続登記』を行う必要があります。
例えば父親がお亡くなりになられ、その長男が父親が所有されていた不動産を相続する際には、長男はその不動産が存する地域を管轄する法務局に相続登記を申請して父親名義から自身の名義に変更する必要があります。



2024年4月1日より相続登記が義務化


今までは相続登記については義務ではなく任意となっておりましたが、2024年4月1日より義務化となりました。

新たに施行された法律ですと、相続登記の申請期限は「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内」と条文で定義されています。
少し分かりにくいので言い換えますと、自分が相続人であり相続財産に不動産があることを知った日から3年以内とお考えいただければ分かりやすいかと思います。

正当な理由がなく、この期限内に相続登記を行わなかった場合、法務局から一定の期間内に申告するよう催告がなされます。そしてこの催告にも応じなければ、10万円以下の過料が科されることとなりました。
そして今回の改正は2024年4月1日以前に相続が発生し、未登記のままの不動産についても適用されるため、登記されていない不動産の相続人や、代替わりしている代襲相続人にも対応が求められますので注意が必要です。



相続登記が義務化となった背景


相続登記が義務化された背景には「所有者不明土地」の問題があります。
これまでは先にも述べたように、不動産の相続登記は義務化されていなかったため、土地や建物の所有者がご先祖様のままになっていたり、現在の所有者が誰か分からないというのも珍しくないことでした。
またその所有者不明土地の総面積は日本の国土の約24%にものぼり、九州地方全土よりも広いと言われています。

所有者不明土地は、公共事業や復旧・復興事業を進めていく上での妨げになるだけでなく、空き地として長期間放置されることにより雑草の繁茂やゴミの不法投棄、不法占有者などが生じる原因となり、周辺の治安や公衆衛生に悪影響を及ぼす可能性が出てきてしまいます。

このような状況を改善するため、誰が所有者・管理者であるのかを明らかにするという目的で、不動産の相続登記が義務化となりました。


相続登記を行わない場合のリスク


これまでは相続登記は義務化ではなく任意となっておりましたが、相続登記を行わない場合にもしっかりとリスクは存在します。
主なリスクは下記の3つです。

①不動産を売却したり、担保提供することができない
⇒不動産を売却したり担保提供する際には、実際の所有者と登記上の所有者が一致している必要があるため、相続登記を行わずに亡くなった方の名義のままだとそういった手続きを進めることができません。
今は売却したり担保提供するつもりがなかったとしても、いざそのようなタイミングになった際に、他の相続人が行方不明だったり、手続きに強力しなかったりという可能性もあるため、事前に行っておくことが望ましいです。

②関係する法定相続人が増える可能性がある。
⇒相続登記の手続きを放置すればするほど代替わりが伴い法定相続人が増える可能性がございます。そうなると持分が減るばかりか、会ったこともない遠い親戚と遺産分割や登記について話し合う必要が出てきたりと、かえって費用も時間もかかってしまう原因になります。

③不動産の差押や共有持分を売却されるリスクがある。
⇒相続人が複数おり、その中に借金をしている人がいる場合は要注意です。相続人の債権者は相続人に代わって法定相続による相続登記を申請して、借金をしている相続人の持分を差し押さえることができます。
またその相続人自身も持分を売買したり担保提供したりすることが可能であるため、相続登記を放置したがために相続人ではない第三者が権利関係に入ってきてしまう可能性もございます。



相続登記を行わなかった人が多い理由


前述の通り、相続登記を行わないことにはたくさんのリスクが付き物であることはお分かりいただけたかと思います。
これまでは義務ではなかったとはいえ、なぜ相続登記を行わなかった人が多かったのでしょうか。
主な要因は下記の3つではないかと推察されます。

①費用が発生する
⇒相続登記には登録免許税や各種証明書の発行手数料、司法書士等の専門家に依頼した場合の報酬等様々な費用が発生します。
登録免許税とは、登記申請を行う際に国に対して納める税金で、相続登記の場合は固定資産税評価額の0.4%と定められています。

相続される不動産が資産価値の高い不動産であるのであれば、売却等で相続登記にかかった費用を回収できますが、資産価値の低い不動産であったり、再建築不可等で売却すること自体困難な不動産である場合は結局費用倒れになってしまう可能性もあります。

②手続きが複雑
⇒登記は不動産の権利関係を公示する重要な制度ですので、その内容自体を変更する手続きは法律で様々な細かいルールが決められています。
前述の通り、司法書士にお任せすると費用が発生してしまうため自分自身で行うといった方もたまにお見受けしますが、一般の方は一生のうちにそう何度も行う手続きではございませんので、必要書類を揃えるために何度も役所等に足を運んだり、法務局にも何度か足を運ぶ必要があります。
一般の方が正確に書類を作成して手続きを行おうと思うと、相当な時間と労力が必要になります。

③相続人全員の合意が必要
⇒被相続人の遺言がなく、遺産分割協議で不動産の取得者を決める場合は、相続人全員の合意が必要となります。
相続人の数が少なく、関係性も良好であれば特段トラブルになるケースは少ないですが、そもそも相続人の人数が多い場合や関係性が良好でなく対立関係にある場合は連絡を取り合ったり、合意をもらうこと自体かなりハードルが高くなってしまいます。

以上のような事由が、相続登記を行わなかった人が多かった要因ではないかと思います。


相続登記はまず司法書士の先生に相談するべし


これまで相続登記について述べて参りましたがいかがでしたでしょうか。
この相続登記を業務として行えるのは弁護士と司法書士のみと法律で決められています。
しかし登記を業務として取り扱っている弁護士は数が少ないため、相続登記が必要になった場合はまず司法書士の先生に相談するのがベストです。

ただし司法書士は相続人の代理人として他の相続人と交渉したり、遺産分割調停の代理人になることはできないため、相続人間で紛争が生じている場合などは弁護士の先生に相談することもオススメします。

BRAVI不動産では、顧問契約をしております弁護士や司法書士の先生を無料でご紹介させていただいております。(別途、弁護士や司法書士の先生への報酬は発生します。)

相続登記を行う必要がある相続人の立場になられた際は、BRAVI不動産にご相談ください。




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